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周産期管理システム

周産期管理システム”Serio”導入現場レポート:沖縄県立中部病院 様

お客様プロフィール

施設名 沖縄県立中部病院(総合周産期母子医療センター)
所在地 〒904-2293 沖縄県うるま市字宮里281番地
施設概要 559床(一般 555床 感染 4床)
MFICU 6床、一般産科病床 29床、NICU 30床、一般新生児病床 18床
導入製品 周産期管理システム Serio
導入時期 2024年更新 / 2016年導入

産科部門の特徴

沖縄県初の総合周産期母子医療センターとして認可され、主に沖縄県中北部地区を中心にリスクの高い妊婦、産褥婦、新生児の診療にあたっています。
主治医制ではなくグループ制を採用しており、複数の医師が1人の患者さんを診ている点が特徴です。
また、臨床研修指定病院として後進の育成にも尽力しています。

お客様インタビュー

全員が使いやすい周産期管理システムを実現

橋口幹夫 先生

全員が使いやすいものでなければ意味がない

橋口) 基幹電子カルテの導入に伴い、部門システムが必要となりトーイツさんのSerioを採用しました。旧バージョンのトーイツ製品は、画面構成や色使い、表の見え方や操作性に改善の余地があると感じていたため、新バージョンを開発中であると聞いて現場の立場からいろいろと意見を言わせてもらいました。画面構成は普段の仕事の中で一番大切なコアな部分なんです。

大畑)この病院では陣痛から分娩までの過程を助産師と医師がほぼ一緒に、一体となって進めます。カルテは助産師も医師も共通のページに書いています。医師にとって使い勝手がいい物が、必ずしも助産師さんたちに使い勝手がいいとは限らないわけです。
診療録ひとつとっても、付随する伝票類や申請書類など関連する帳票をすべて一つの電子カルテで再現しなければならず、しかも全員が分かりやすい形で画面に収納されていて、素早く見にいけるとなるとさまざまな意見が出るわけです。

大畑尚子 先生

「みんなで使う」ことを目標にしたのが良かった

橋口) 医師が必要とする書類、助産師さんが必要する書類、それぞれの中で共通事項もあれば、全く違う内容を書く部分もあります。それらをうまく混在させながら、煩雑さを減らすというのはかなりの苦労です。
一番大切にしたのは「みんなで使う」ことを目標にした点です。電子カルテの導入にあたっては、いい物にしていこうという意識の共有がありました。なぜかと言えば、日常の業務においてチームワークが取れているからです。電子カルテ化によってそのチームワークを阻害されるのが嫌だったとも言えます。電子カルテが入っても、今までと同じ仕事のやり方をしたいという思いが強かった。

大畑) 職種を越えて会議を何度も重ねました。全体で集まったり、研修医中心の会議や、助産師・看護師中心の個別会議を行いました。また医師、スタッフなど様々な組み合わせでも会議を行い、おのおのが自分たちの意見を全て出し合いました。それにトーイツさんが粘り強くずっと付き合ってくれて、こちらが出す課題を毎回必ず解決して持ってきてくれました。そのおかげで使いやすいものになったと感じています。

手書きイメージでのパルトグラム入力

橋口) 当施設ではパルトグラムをスタッフと医師が記入しています。臨床研修指定病院として、将来島の診療所に行く総合医を養成する意味でどの研修医にもお産の教育を行っており、医師がパルトグラムをきちんと記入するという伝統があります。紙ベースで丸を描いたり、線を引いたりといったフリーハンドで行っていたパルトグラムの作成作業をそのまま電子カルテで再現できないか、というのが最大の要望点でした。数値を入れたり、キーボードで入れたりする製品もありますがそれではうまく紙ベースの情報を再現できません。この部分が実現できなければ、パルトグラムだけ紙運用にして後でスキャンする、といった何のために電子化したかわからない中途半端な電子カルテになります。幸い、トーイツさんとわれわれの気持ちがシンクロし、従来の紙のカルテと同じ感覚で使えるものに仕上がっています。

入力の手間は大幅に削減できた

大畑) Serio導入以前は、まず紙に記録を書いて、そこから分娩台帳に入力して、さらに日本産科婦人科学会 周産期登録のデータベースに入力するという3つの作業を行っていました。それが一つになったおかげで、入力の手間は大幅に削減できました。これからは情報の質をさらに上げていきたいですね。従来、入力者が1人だったが故に担保されていた情報の質が、入力者が利用者全員になることで補完が必要になる面もあります。プルダウンでの選択や必須項目の設定などシステム側の対策はSerioに盛り込まれています。最終的にどのような確認・修正フローにするのか、運用しながら精度を高めていきたいと考えています。

正確な情報を瞬時に共有できるオペレーションボード

橋口) チーム医療においては、この病院で何が起きているかを全員で共有することがとても大切です。特にこの病院では主治医制ではなくグループ制を採用していて複数の医師が1人の患者さんを診ています。職種を問わずどこで、誰が、何をしているのか。そしてどんな患者さんがどこにいるのかといった情報をしっかり共有する必要があります。急変が起きる分娩室で、患者さんの病状や処置内容などを共有することは大きなポイントです。今まではホワイトボードに手書きで現在の状況を書いていました。情報量に限り
がありますし、字の上手下手といった属人的な要素で可読性が左右されます。一番の問題は誤記や誤解で、誤った情報認識は重大事故を招きかねません。
せっかくSerioを使って情報入力するわけだからそれをシームレスに活用しない手はない。Serioの分娩経過情報を大画面モニターと連動させ、ビジュアルで分かるようにしたシステムがオペレーションボードです。

大畑) 診察所見は入力と連動して更新されていきます。手書きの手間が減り、情報が正確にかつリアルタイムになりました。緊急事態が起きたときに、瞬時に各担当者が集まって的確に判断、対処できます。さらにNICUにいる小児科の医師も今、陣痛室、分娩室で何が行われているかが分かります。

橋口) 将来、携帯端末でモニタリングできるようになれば、回診中でもいつでもどこでも、どこで何が行われているかを簡単に見られ、医療の質がさらに向上するでしょう。

産婦人科医の気持ちがわかるトーイツ

橋口) メーカーには調子良く何でもできますと安請け合いするメーカーもいる、その逆に「これは無理、あれもダメ」と、はなから否定されるのも困ります。技術的にできること、できないことをきちんと切り分けた上で、難しい部分はどうやって実現するのかを一緒に考えていきましょうというスタンスが一番大切だと思う。そうやって初めてユーザー側にも想像力が生まれてくる。
トーイツさんはパッケージを押し付けてくるのではなく、ユーザーに耳を傾けてニーズを取り入れていこうという姿勢が大きかったと思う。信頼できる会社だ、技術力もある、というのは当然で前提条件です。一番良かったのは、私たちと一緒に、私たちの目線で開発してくれたこと。もともと分娩監視装置を作っているから、産婦人科の医師に対するアンテナがしっかり立っている。僕らのちょっとしたつぶやきをしっかりと逃さず拾ってくれるのです。産婦人科医の気持ちに寄り添った製品の開発に今後も期待しています。

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