共同研究の事例紹介：「emona」を用いた救急搬送中の状態把握

大分県内の環境における、救急搬送中のCTGデータリアルタイム送信による状態把握の実施

当社は、無線LAN内蔵の分娩監視装置「emona  CTG」を使用し、搬送元の診療所から救急搬送中の患者様のCTGデータをリアルタイムでクラウドセントラルモニタ「emona CENTRAL」へ送信し、そのデータを搬送先の周産期センターで参照する共同研究を行いました。これは、大分県内における救急搬送中のCTGデータを搬送先からリアルタイムで確認する初の試みです。

本研究の背景

本共同研究は、搬送先で受け入れ前（救急搬送前～搬送中）の状態把握・状況判断、遠隔地における医師不足などの周産期医療を取り巻く各課題解決を目指し、搬送先の周産期センターと協力して実施されました。

本研究の目的

本研究の目的は、通常の診療で使用される分娩監視装置システムを用い、救急搬送時の遠隔モニタリングの有用性を大分県の環境で評価することです。
具体的には、救急搬送中に「emona CTG」で計測したCTGデータをiPhoneのテザリングを通じてクラウドのセントラルモニタ「emona CENTRAL」にリアルタイムで表示する機能です。搬送中にネットワークが途切れても、再接続後に自動的にデータを送信します。

本研究の特徴

本研究の特徴として、搬送元から搬送先までの道のりが、標高の高い山々が連なり、長いトンネルが多い地形であるため、こうした環境下での実証実験が行われました。

実証実験にご協力いただいた周産期センターのコメント

「通常、救急搬送受け入れは症例によっては3~４人体制で準備をしていますが、今回、搬送時の波形をリアルタイムで監視を行い児の状態が良好である事が確認できたため、受け入れを1人で対応できると判断しました。到着後も迅速に適切な処置ができ、事前に院内の新生児科への状況連携も可能になり、他部門の受け入れ体制も確保できました。このシステムは非常に有用だと感じています。」

トーイツは、戦略コンセプト「コネクトで価値創造」を実現し、周産期医療の課題解決と発展に貢献すべく活動を続けてまいります。今回の共同研究を通じて、「emona CTG」と「emona CENTRAL」を連携した遠隔監視体制を構築し、医師不足の過疎地の妊婦の負担軽減や医療現場の人手不足の解消など、患者様と医療現場の経済的・時間的負担を軽減できるサービスの提供を目指します。

今後ともトーイツの取り組みにご期待ください。

分娩監視システムemonaについて